知っておきたい!「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の違い
皮下脂肪と内臓脂肪の違いをご存知ですか?それぞれ蓄積される部位とその原因、身体への影響が違います。これらを理解することでダイエットやトレーニングで適切なアプローチができるようになるでしょう。今回は皮下脂肪と内臓脂肪の違いを解説します。とくに内臓脂肪は放っておくと健康リスクが高まるため、これからの参考としてみてください。
「皮下脂肪」とは?
皮下脂肪とは、皮膚と筋肉の間に蓄積する脂肪です。皮下脂肪があることによって、寒さや衝撃から身体を守る役割があるため、ある程度必要な脂肪といえます。標準的な体脂肪は男性10,0~19,9%、女性20,0~29,9%です。そして皮下脂肪は男性は8,6~16,7%、女性は18,5~26,7%が標準とされています。男性に比べて女性は妊娠出産もあり身体を守るためにも体脂肪率は高いのです。
しかし、標準体脂肪率を超える場合は要注意です。皮下脂肪は身体を守る役割もありますが、脂肪が付きすぎることによって膝や腰などに負担がかかり支障をきたしてしまうこともあるのです。皮下脂肪はその名の通り皮膚の下にある脂肪なので、見た目やお腹まわりなどを触ってみると脂肪がついているのがわかりやすいのが特徴です。
「内臓脂肪」とは?
内臓脂肪は胃、腸、肝臓などの内臓まわりに蓄積する脂肪です。内臓脂肪は見た目ではわかりにくく、日本では腹部CTスキャンによって測定する方法があります。内臓脂肪は、皮下脂肪と違いぱっと見ただけではわかりにくく、内臓脂肪が蓄積されすぎると健康に支障をきたす恐れがあるため要注意です。内臓脂肪は男性ホルモンの影響も関係するため、男性の方が女性より内臓脂肪が蓄積されやすい傾向にあります。
内臓脂肪を自分で計測することはできませんが、簡単なチェックはメジャーでウエストの測定をすることです。ウエストと、ヒップのサイズを計測し、その差を割り出してみましょう。ウエストとヒップの差が0,9を超える場合は内臓脂肪が蓄積されている可能性があります。もう1つの計測方法として「ウエスト÷身長」の数値を割り出す方法です。0,5以上の場合、内臓脂肪が蓄積されている可能性があります。
内臓脂肪は溜まると健康リスクが上がる!
同じ体脂肪でも「皮下脂肪」と「内臓脂肪」では大きな違いがあります。ここからはさらにそれぞれを比べてみましょう。
皮下脂肪に比べ、内臓脂肪が危険といわれる理由は脂肪が分解される過程にあります。まず、皮膚の下に蓄積された「皮下脂肪」は脂肪酸に分解されると血管を通り肝臓へ運ばれますが、その間に筋肉を動かすエネルギー源とされるため肝臓に運ばれる前に消費され肝臓にかかる負担が抑えられるのです。
それに比べて「内臓脂肪」の場合は、脂肪酸へ分解された後、肝臓へすぐに運ばれます。つまり、皮下脂肪が肝臓に運ばれる前にエネルギー消費されるのに対し内臓脂肪はほとんどの脂肪酸が肝臓に運ばれるために肝臓に大きな負担がかかると考えられるのです。
その他にも、内臓脂肪が蓄積されることによってさまざまな病気のリスクが高まることが研究されています。たとえば、血栓ができたり、高血圧になったり、高血糖になったり、とさまざまなリスクの危険が高まります。このように、皮下脂肪と内臓脂肪はそれぞれ蓄積箇所と分解経路が違うため、対処法も違うのです。脂肪を落としたい場合には、まず、その脂肪が皮下脂肪なのか内臓脂肪なのかを確かめて適切な対処が必要といえるでしょう。
皮下脂肪の解消法
皮下脂肪が蓄積されてしまう主な原因は食べ過ぎや運動不足だといわれています。食事でカロリーを摂取した分運動することでカロリー消費をすることが1番大切ですよね。しかし、皮下脂肪が多い状態というのは食事の「摂取カロリー」が多すぎて、運動による「消費」が少ない状態です。それによって、使わなかった分のエネルギーが脂肪として蓄積してしまいます。皮下脂肪を減らすためはズバリ「運動」によって、脂肪燃焼することが1番です。とくに、ジョギングやウォーキング、ランニングマシン、サイクリングマシンなどの有酸素運動がよいでしょう。
内臓脂肪の解消法
内臓脂肪には生活習慣が大きく関係しているため、生活習慣からの見直しをすることが大切です。食生活では内臓脂肪が付きやすい食品を避け、脂肪燃焼を助ける食品を選ぶようにしましょう。たとえば、お酒、動物性食品、粗悪な脂質、白砂糖などです。反対に脂肪燃焼を助ける食品として、お酢、玄米、大豆、生野菜、食物繊維、緑茶などがあります。良質な食事を心がけ、適度な運動、質のよい睡眠ができるよう習慣化していくとよいですね。
脂肪には、皮下脂肪と内臓脂肪がありそれぞれの違いがあることがわかりますね。そして、内臓脂肪は気づかないうちに蓄積されそれが健康リスクを高めるため注意が必要です。良質な食事と適度な運動を心がけ生活習慣から整えていくことが大切です。ダイエットやトレーニングをする際には見落としがちな内臓脂肪のことも意識してみてはいかがでしょうか。