ダイエット効果だけではない!運動を習慣化するメリットとは?
人類の歴史において人間はほとんどの時間を狩猟や採取の時間に割いてきました。社会はこの何百年で進化しましたが、生物の体の変化はそう簡単に起きません。今回は運動が人間にとってどのようなメリットをもたらすのか。なぜ運動をした方がよいのかについて解説します。運動を習慣化できなくて悩んでいる方もぜひ本記事を読んでみてください。
運動するメリットとは?
脳が活性化し頭がよくなる
運動をすることで脳にある物質が分泌され、頭がよくなるといわれています。その物質とは「BDNF」別名「脳由来神経栄養因子」というものです。BDNFは脳の栄養素で、この物質が増えることで脳細胞の増加や、脳の機能の維持、細胞の死亡の防止が期待できます。他にも右脳・左脳の間を担う海馬という部分が運動によって増加したり、前頭葉の発達が確認されたりしています。前頭葉では集中力や思考力、感情のコントロールなどを担っているので、前頭葉が発達すれば長期的な集中力が身に付きます。また海馬の発達では脳の伝達スピードの向上や記憶の定着効率の向上が期待できるでしょう。
心肺機能の向上や筋骨格の強化
運動を行うことにより心臓の収縮効率が上がり、血流の流れがよくれば息切れの改善や冷え性の克服に役立ちます。また運動をすれば骨や筋肉を強化することもできます。筋トレでなくても意識して歩いたり走ったりすれば筋肉は付きますし、振動を与えることで骨の強度は高くなります。筋肉を鍛えれば転倒やつまずきの防止、骨の密度を高めておけば骨粗鬆症やサルコペニアの予防に役立つでしょう。とくに高齢の方には足腰を鍛えるのをおすすめします。
集中力の向上
運動は二種類の集中力の向上に関与します。まずは短期的な集中。運動を行った後30分~3時間程度は脳が活発に働き、集中力を高めてくれることがわかっています。運動をすると血流の流れがよくなるとともに酸素が体中を巡ります。酸素が脳に多く届くことで頭の回転が速くなるのです。また運動することによりドーパミンが生成されるのでやる気がでたり、集中力が向上につながったりする効果が期待できます。効果を得たい場合は、勉強や仕事の合間にスクワットや階段の上り下りを行うとよいでしょう。
次に長期的な集中についてです。運動を習慣にすると脳が発達し情報の処理が速くなります。複雑な内容にも対応できるようになるので頭がぼーっとしてしまうのを防げるようになるのです。基礎的な脳の体力が向上するといった感じですね。
精神の安定・メンタル面の向上
運動を行うことで精神を安定させ、メンタル面の向上を図ることができます。「なぜ精神の安定に運動が関与するのか」それは運動が自律神経を整えるからです。自律神経とは、呼吸や体温調節、代謝を行う神経のことで、24時間自動で働いているものになります。自律神経は体を動かすための交感神経と、体を休ませるための副交感神経から構成されており、この2つの神経の切り替えがうまくいかないと、皆さんがよく聞く「自律神経の乱れ」を引き起こすのです。運動を行えばこの切り替えをスムーズに行えるようになり、精神が安定してくるといえます。
どのような運動をした方がよい?
脳を鍛えるなら
脳を鍛えて頭をよくしたいという方には有酸素運動がおすすめです。なぜ有酸素運動なのかというと先ほど紹介した「BDNF」が多く分泌されるからです。有酸素運動の種類は多くありますが、あまりにも強度の高いものは効果が薄く、最大心拍数の40%〜60%くらいの中強度の運動がよいでしょう。運動時間は20〜30分で週に2、3回行えば充分に効果が期待できます。種目としては早歩きやウォーキング、軽めのランニングや縄跳び、水泳などがよいでしょう。※最大心拍数の算出は「220-年齢」で求めることができます。
体を鍛えるなら
「体を鍛えたい」「老後でもシャキッとした健康的な体でいたい」という方には筋トレをおすすめします。筋トレを行うことで限界からもう一歩進む力を養うことができますし、ストレスに強くなります。また脚の筋肉や腰の筋肉を鍛えておけば、転ばないし躓かない体を作ることができ、怪我や骨折の予防につながるでしょう。
運動を習慣化する方法
運動を習慣化するにはまず「好きな運動を見つけること」から始めましょう。自分がやっていて苦ではないものから手を付けるのが大切です。物事を習慣化するには最低週4日・2か月間の日数が必要ですのでその期間だけはちょっと無理をしてでも頑張る必要があるかと思います。
最初は簡単な目標から徐々に負荷を上げて行くことが習慣化の秘訣です。たとえば、最終的に朝のジョギングを目標とするなら、初めのうちは外に出ればOKというくらいから始めるのです。その後外に出るのが当たり前くらいになったらちょっと歩いてみたり、公園まで行ったり負荷を足していきましょう。
今回は運動のメリットについて紹介しました。「運動はダイエットして終わり」ではなくその後も続けることでより大きな効果を得ることができます。仕事で疲れていて時間がなくても自分の体のメンテナンスとして簡単なものから取り入れてみてはいかがでしょうか?